Webメディア「フリーランス名鑑」 インタビュー記事

SEOコンサル会社(受託)と記事メディア会社(アフィリエイト)との違い

SEOコンサルティングとメディア事業(アフィリエイト)の違い

本記事はSEOベンダーでWebコンサルタントとして従事し、転職を機に退職。現在は(みなし)公務員として公共事業に携わりながら、申請許可を得て副業(兼業)でSEOコンサルタントとして地域の中小企業から東京の大手企業まで幅広くご支援させていただいている私が執筆しています。

民間から公共と割と特殊な経歴ですが、SEOコンサルタントとしては本業副業期間含めて12年以上の経験があります。その経験からSEOコンサルティングを中心とした受託事業とアフィリエイトメディアの運営を中心としたメディア事業の違い、その後のキャリア形成を解説していきます。

みなさまのキャリア、スキル形成の参考になれば幸いです。

目次

まず初めに。

SEOコンサルティング会社、メディア事業会社(アフィリエイトサイト運営)もSEOに関わる事業かつ同じ領域ですので、基本的に身に付くスキルや知識は共通しています。

しかし、目的や対峙先(組織か個人か)などによっても若干の違いがあり、事業拡大のタイミングやアフィリエイターが企業のSEOを受託コンサルティングする際に、課題になる点が幾つかあるようです。

※トップアフィリエイター数名から聞いた課題や悩みを参考に、まずはキーワード領域の違いから解説いたします。

キーワード領域の違い

※案件によって違いがあることを前提に記載いたします。

SEOコンサルテイング会社が対応するキーワード

企業からSEOコンサルティング会社が依頼を受けた際、達成すべきKGIは「クライアントのWebからの収益を最大化させること」です。その中のKPIとして「順位を上げる」ことで検索結果で見つけられ易い位置に各キーワードを位置させるだと認識しています。

そのため、受託するサイトの「認知層、潜在層、顕在層」と事業に関連する全てのキーワードで対策することが基本です。

事業に関連する全てのキーワードで対策した後は、SFA(営業支援システム)、CRM(顧客管理システム)を用いながら、サイト内、SNSでユーザーをナーチャリングすることを前提にキーワードをそれぞれの層に分けてカテゴライズしていきます。

(キーワード例)

【業界】:(D2C)ダイエット、ボディメイクのデリバリーサポート

【認知層】:プロテイン 正しい飲み方 (VOL 320)、 ダイエット 食べる順番 (VOL 590)、朝筋トレ (VOL 5400)、ダイエット おすすめ 食品 (VOL 260)、下半身 ダイエット (VOL 6600)

【潜在層】:生姜焼き タンパク質 (VOL 170)、チーズインハンバーグ カロリー (VOL 260)、鶏むね肉 カロリー(VOLv300)

【顕在層】:高タンパク 低カロリー (VOL 6600)、ダイエット宅配 (VOL 390)、ダイエット食事 宅配 (VOL 260)

また、受託する企業のご依頼に対して様々なフェーズのSEO支援を行います。

そのフェーズによってクライアントから求められる指標も違ってきますので、SEOコンサルティング会社はまずは求められている指標に対してどのような打ち手があるかを考察していきます。

例えば、

・認知度拡大、企業ブランディングのためであれば > PV指標

・自然検索流入からの集客から収益化までを重視しているのであれば > CV指標

のようにマイルストーンを置いて戦略を打っていきます。

記事メディア会社(アフィリエイトサイト運営)が対応するキーワード

SEOコンサルティング会社との大きな違いは、よりCV(コンバージョン)に近いキーワードで対策することです。なぜなら、メディア事業(アフィリエイトサイト運営)のキャッシュポイントとして予約または成約に至るまでが「承認」の定義に至ることから、よりCVに近いキーワードから記事作成していきます。

(キーワード例)

「おすすめ」「口コミ」「相場」「比較」「まとめ」「〇〇購入」

昨今のトレンドとしては(2020年以降~)企業ドメイン(co.jp)配下のサブディレクトリにメディアを置いて運営しているサイトも多くみられます。 その背景としてはGoogleのアルゴリズム「 E-A-T」の観点からドメイン元の信頼性がより重要視されてきたからです。アフィリエイターが幾ら良質な記事を作成したとしても順位改善が見られないのはそのせいです。

よって、運営するメディアに近い事業を行っている企業にレベニューシェアなどの契約形態を提示しサブディレクトリ配下でメディア運営することが、昨今のアフィリエイトサイトのトレンドになっています。

SEOキャリアの違い

SEOコンサルテイング事業

●メリット

(1)コーポレートサイト、EC、DB(データベース)型サイト、メディアなど全般的に各サイトモデルのSEOを経験することができる。

(2)受託企業のフェーズ、ビジネスモデルを考慮した上で施策の提案、方向性を提示していくことから、SEOの知識やスキルだけでなく、経営、社内体制を考慮した上でWeb全体のマーケティング支援を考える力が身に付く。また、経営の伴走者としてのコンサルティングスキル、クライアントワーク力を身に付けることができる。

(3)コミュニケーション能力、資料作成能力が高くなる。

Webマーケティング担当者、エンジニア、経営者(決裁者)などクライアントの役職や目的、またはリテラシーに合わせて

無形商材であるSEOを言葉で説明、資料で可視化させていくので、「分かり易く伝える力」が身に付く。

また、組織としてのフォーマットやナレッジも蓄積される。

●デメリット

(1)労働時間が長くなりがち 1人の担当者が多くのクライアントを担当することからリソースの配分を考えていかないと幾ら時間があっても足りません。

※サイト規模や作業量の違いはあれど、多くて20~30案件/1人を受けもつこともあります。

(2)幅広い業界知識やビジネスリテラシーが必要

SEOの知識やスキルだけでなく、ビジネスリテラシーも同時に高めていく必要があります。

メール、提出資料の作り方、施策の説明を分かり易く伝えるコミュニケーション力など、基本的なビジネススキルから深い業界知識まで案件、担当者によっては必要となり、少しでも掛けていると信頼を積み重ねることができません。

よって直ぐに1人立ちすることは難しく、経験(時間)が必要です。

メディア事業(アフィリエイトサイト運営)

●メリット

(1)CV(コンバージョン)に対する執着心やスキルがより身に付く。

前述しましたが、メディア事業(アフィリエイトサイト運営)のキャッシュポイントとして予約または成約に至らない場合は、収益が立たないことから、よりCV(コンバージョン)に対して意識が強い印象です。

(2)SEOコンサルティング事業の月額コンサルティングフィー大きく超える場合も多々あります。

月額100万~数千万など。

(3)売却(exit)を視野にメディア運営することができ、一度の売却で数千万単位のキャッシュが手に入ることもある。

事例▼

XINOBIX株式会社(シノビクス)の代表 長屋智揮さま

 シノビクスは、お客様の事業やマーケティングの課題を理解し、コンテンツマーケティングの
戦略から実行までをご支援することで、お客様をゴールまで導きます。

XINOBIX株式会社

CV数100倍・売上3倍など実績多数/クライアントはベンチャーから一部上場企業までのXINOBIX株式会社(シノビクス)の長尾さんをご紹介いたします。

詳しくは、シノビクスのお客様の事例や動画をご覧ください!

SEOキャリアの【歩み方】の違い

SEOコンサルテイング事業

多種多様なサイトタイプ、ビジネスモデルに触れることができる為、起業を選択したり、クライアントから直接声を掛けられ、事業者側に転職することも少なくありません。

そのためには実績と信頼を積み重ねることが一番です。

こちらの記事でSEOコンサルタントの仕事術をご紹介していますので併せてご確認ください。

【上流SEOコンサルタントの仕事術】年収 | スキル | 資格 | 将来性を解説

あわせて読みたい
【上流SEOコンサルタントの仕事術】リアルな年収|将来性|副業|転職の事例紹介 昨今、Webマーケティングは企業の販促活動及び採用活動に必須のマーケティング手法となっています。今までWebマーケティングに力を入れてこなかった企業や店舗において...

業界歴12年のデジタルマーケターによるSEOコンサルの成功手順

あわせて読みたい
【業界歴13年】SEOコンサルティング手順 キーワード設計 (1) ❶サイトコンセプト、ユーザー層からキーワードを連想する。 ❷連想したキーワードを顧客事業や強みとすり合わせ「軸」となるキーワードを決める。無...

メディア事業(アフィリエイトサイト運営)

アップデートの影響も受けやすく、今まで月〇百万の売り上げを立てていたサイトが次の日は〇円というのも珍しいことではありません。そのため、SEOコンサルティング事業にシフトするケースも多いようです。

昨今、オウンドメディア需要が多くなってきていることからメディア運営でのノウハウを活かして他社運営メディアのSEOコンサルティングに強みを活かしているようです。しかし、メディア運営は主に記事作成を中心に行ってきたことから、ECやDB型のテクニカルSEOの知見が必要な場合は、スキル不足に不安な点があると個人的に相談を受けることもあります。

また、SEOコンサルタントと比べてクライアントワークが少ないことから、事業者さまとの温度感や施策のスピード感、提出する資料の品質や種類、量が多いことに慣れず、コミュニケーションコストが多くなることもあるようです。

自社のオウンドメディアであればPDCAを直ぐにでも回しやすいですが、事業者様のメディアをコンサルティングするとなると、提案から実行までをイニシアティブを取りつつ支援していくことから、今までに経験したことがないストレスを感じることもあるようです。自分たちがやる側ではなく、やってもらう為にはどう動くか?を考える、可視化する時間や量も多く、その点で息詰まることもあるようです。

まとめ

SEOコンサティング事業、メディア事業(アフィリエイトサイト運営)どちらのキャリアから始めてもSEOの基本スキルを身に付けることができますが、「将来独立したい。」「幅広い業界知識やビジネスモデルに触れたい」という思いがある方には、ファーストキャリアとしてはSEOコンサルティング会社でビジネスリテラシーも同時に高めていくことを推奨いたします。

一方で「学生時代からブログを運営していて収益化できていた。」「スキルをさらに尖らせていきたい」という方にはメディア事業(アフィリエイトサイト運営)を推奨いたします。

どちらのキャリアから歩もうが、視座を高く持ち、クライアント及びユーザーの為に有益なコンテンツとサイト作成を積み重ねていくことが、自身の次のキャリアやスキルに繋がると思います。

SEOコンサルティングとメディア事業(アフィリエイト)の違い

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!

執筆者

業界歴13年のマーケター/SEOコンサルタント
役者→大手SEO会社→ 某公共事業で局長→上場企業のマーケター兼新規事業開発(複業でCA、大手SEOベンダー、StockSunのパートナーとして2年目から受託純利益1300万達成)

【実績】
SEO:Web Designingでオウンドメディアの成功事例として特集。月間平均検索回数9万の洋服ECのKWで1位。SEOコンサルタント/ データベース系キーワードで本ブログが継続して上位。 EC&DBのテクニカルも得意。「事業の強み」を伴走して尖らせる事が信条。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次