本記事では約13年、中小から大手企業さまをご支援させていただいた実績から、未経験からSEOコンサルタントにこれからなりたい方に知っておいて欲しいことを解説いたします。
こんな方にお勧めの記事です。
- 未経験からSEOコンサルタントを目指す人
- ファーストキャリアがSEOベンダーである人
- 社内のSEOに関わる部署に未経験から配属になった人
それでは始めます!
顧客を知る
正直、SEOの知識、事例については公式情報、Webメディアなどをググればある程度答えがでます。しかし、顧客の事業、リソース、企業体力、将来展望にアジャストした上で全体の課題解決をフェーズ毎に提案できるSEOはコンサルタントはごく僅かに感じています。
顧客理解が出来ていないSEOコンサルタントの提案例は、
- 先方のリソースを考慮せずにSEOの教科書通りの正論だけを伝える。
- 事業理解が出来ていないことにより、ズレたキーワード設計を行う。
こういった提案を行うSEOコンサルタントには絶対にならないようにしてください。
顧客に伴走できるSEOコンサルタントになる際には、先輩コンサルタントのロジックを学びつつ、未経験のうちはスキルや知識がないので、まずは足を使って顧客事業の理解を意識してください。(例:顧客のサービス、商品、ソリューションを実際に使ってみる等)
余談ですが、私は中小であれば直接、代表取締役に創業経緯を。大手であれば担当者・責任者に趣味、好きな音楽、映画など業務以外のことをできる限り聞くようにしています。
何故なら、考え方や好きなテイストを知ることができ、熱量も感じることが出来るからです。
ヒトに興味を持ち、事業(コト・モノ)に興味と関心を持つことで信頼を構築でき、双方の得意分野が掛け合わせることができるのです。
Web制作に関しては、マーケターだけでは完結できません。デザイナー、エンジニア、ライター、そして顧客のベクトルが同じになったときに自走していくサイトが出来ると考えています。
特にD2CのECサイトに関わるのであれば、Webマーケティングを受託するマーケターはヒアリングを厚めにすることを推奨いたします。
※実際にユーザーとして顧客の商品、サービスを体験することが顧客、ユーザー、双方の抽象度が高くなるので、おすすめです。
自身の結婚式の席次表を顧客に作成していただき、事例として掲載していただいた事もあります。
【顧客を知ること】を【顧客の2番目のファンとなり、最良の伴走者となる】と私の中では定義しています。
どういうことかと申しますと、いくらデータドリブンな提案をしても、顧客の「感情」が動き、Webサイトが自走できる状態まで伴走できないと提案自体、意味がないと思っています。
コンサルタントの介在価値は顧客事業に加速をもたらすことです。
今まで約13年ほど中小企業からナショナルクライアント様までWebからの収益最大化のためにご支援をさせていただきましたが、その経験から得た【考え方 / スタンス】をtwitterでも発信していますので、フォロー頂ければ幸いです。
それでは、次の章からは具体的なSEOの調査方法などをご紹介いたします!
Web上での調査
提案前に顧客のWebサイト、SNS、プレスリリース、業界知識、※競合などMECEに事前調査を徹底的にします。
※競合調査についてはWeb上とリアルでの乖離がある場合が往々にしてあります。特に地方の地場産業であると、先代からの付き合い、商工会議所など横の繋がりから案件獲得をしている企業も多いからです。
以下の記事でSEOの調査分析方法は、詳しく解説していますので、併せてご確認ください。
すり合わせ
事前調査した内容と乖離がないかを顧客ヒアリングしていきます。 その際、❶の調査をどれだけ深く行ったかで顧客の第一印象が変わる感覚です。
Webマーケティングにおいては各プラットフォーム(例:SEO=Googleの検索エンジン)のアルゴリズムを理解して顧客事業もしくは自社に類推していくことが重要なポイントです。
正論の答えはググればある程度、出ますが、【正論ではない顧客毎の正解】は顧客事業の理解と経験則(同業界、他業界の成功事例)の掛け合わせが提案の質を決めます。
※引き出しを多く持っておくことが重要
SEOの成功事例を多く知っておくことが重要という点においては、SEOベンダーで経験することがキャリアの積み方としてはお勧めです。
以下の記事で、SEO会社とメディア会社(アフィリエイト)の違いを解説していますので、併せてご確認ください。
提案に関しては、ある程度のレイヤーであれば、そこまで大差はないと正直感じています。
何故なら、前述したように各媒体のプラットフォームのアルゴリズムが正解だからです。あとは価格競争とネームバリューぐらいです。
関東圏を中心とした企業であれば、Web担当者、広報担当者がいることも多いですが、地方だと特に直接代表提案することも多いので、データドリブンな提案よりも【自社のことをどれだけ知ってくれようとしているか、考えてくれているか】が大事です。これは今までの経験から言い切れます。
自ら経験、体感する
次に顧客事業の商品やサービスをできる限り体験することが大事です。 例えば、店舗集客であれば、実際に五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)で感じたマーケターとデータ上だけで提案作成をしたマーケターとでは、提案の温度感が全然違います。
また、Webサイトでいうとコンテンツやデザインにも影響してきます。
私の事例を1つご紹介すると、クリエイティブデザインと特殊加工印刷の技術力に強みを持った港区の印刷会社さまのご支援をさせて頂いた際、自身の結婚式が近かったこともあり、席次表の作成を依頼し、さらにはお客様事例としてHP内のコンテンツにすることをご提案しました。
そこからご提案したWebマーケティングの施策スピードが一気に加速しました。
未経験からはじめて1人でSEOの担当をさせていただき、そこから10年来のご縁となりますが(2022年12月時点)、東京出張の際は、毎回お会いしている元クライアント様です。
初めての私の印象は「軽そうな奴」だったようです。。
また、「本気でウチと付き合ってくれる人でないと依頼したくない」とおっしゃっていました。
当時、私は社内でvalueを出せておらず、どんどん地頭の良い若手に追い越されている状態であり、私自身も「変われるキッカケ」を探していました。
そこで出会うことができたのが、株式会社河内屋さまの代表取締役の國澤さんです。
ご縁を頂いてからは、とにかく足と頭と時間を使いました。
始発で出社し終電で帰る。時には、帰る時間が勿体なかったので、会社近くのカプセルホテルに泊まったりもしました。
カメラを片手に、コンテンツの為の写真を撮りに向かい、自身の結婚式事例記事を自ら執筆していました。
その当時の上司には「頂いているコンサル費以上のことをし過ぎている」と指摘を受けていましたが、私は河内屋さまのビジョンと想いに共感していましたし、何より印刷の技術力とデザイン力を掛け合わせた独自の強みをSEOで多くのユーザーに知ってもらいたい。それをキッカケに「顧客満足度NO1のコンサルタント」に社内でなり、自らも立ち上がりたいと覚悟を決めていました。
SEO
SEOを中心としたデジタルマーケティングのご支援をさせて頂いていましたが、自ら体感したことで施策の粒度も上がりました。
具体的には、主に下記の2つをご要望でした。
「港区 印刷会社」で1位を取りたい 「個人よりも法人客を増やしたい」
大抵のSEOerであれば、「エリア×印刷」「目的(席次表など)× 印刷」で提案するかと思います。 ※実際に他社の提案内容をヒアリングすると大方そうでした。
しかし、私は実際に体感したことで顧客のデザイン力と技術力に【強みの確信】を持てたので、「印刷技術(活版印刷など)×エリア」で施策を打つことを提案し、さらにはエリアの市場調査をすると港区には電通や博報堂といった大手広告代理店があることを知りました。
そこで、大手広告代理店の担当者が調べるキーワードの検索意図は「技術力を持った印刷会社に依頼したい」と仮説を立て、顧客にもこの仮説は合っているか確認を取ると、大手広告代理店の場合、ハイブランド(レクサス、ヴィトンなど)のレセプションパーティで使用する招待状やパンフレットなどは印刷技術力を必要とする品質の高いものであることが分かりました。
そこから月間のWeb上の検索回数などの需要を各キーワード毎に調査し、競合のコンテンツとの差別化、顧客サイトのデザイン、コンテンツの改修を行っていったところ、「印刷技術(活版印刷など)×エリア」の各キーワードで上位表示でき、前述の大手広告代理店との契約まで至ることができました。
また当初より「印刷会社は受託産業であり、紙の需要も減ってくることから、自社の強みを活かしたプロダクトを作り紙の希少価値を作りたい」と仰られていて、技術力を活かした文房具を作り、今では全国のLOFT、伊勢丹、阪急本店、フランス、中国などに展開している状態になっているようです。
㈱河内屋さまは、受託の印刷事業だけでなく、自社の強みを活かしたプロダクトである文房具、クラフトマンシップが宿った新橋発のクラフトビールも生産しています。
SEOコンサルタント未経験者、初学者に関しては少し難易度が高い内容ですが、下記の記事で調査分析から提案~運用までの流れを解説していますので、併せてご確認ください。
まとめ
【前職のナイル株式会社】オウンドメディア活用事例
※本文中の「初代の担当者さん」が私のことです。
Web Designingでオウンドメディアの成功事例として特集
マイナビ出版 Web Designing 2016年10月号
ビジネスアスリートのための文房具と名を打った技術力を活かした自社プロダクト▼
クラフトビール事業▼
KUNISAWA BREWINGは、約150年前、東京・港区で商屋を営んでいた河内屋から誕生しました。河内屋の歴史は江戸時代後期に大阪と江戸の間を船で鉄の運搬を担っていました。後に江戸へ拠点を移し、現在の白金付近で馬具商を営み、その後、瀬戸物屋や炭仲買人等様々な商いを港区の地でしていたことがわかっています。時代は流れて、第二次世界大戦後は新橋で活字の母型を鋳造する会社を立ち上げ、1971年、総合印刷会社としてスタートをきりました。現在では特殊加工に強い印刷会社として、広告代理店、グラフィックデザイナー、カメラマン、アーティスト等のクリエイティブなクライアントとともに、さまざまなひらめきをカタチにしています。2017年に誕生した文具ブランド KUNISAWA は世界20ヵ国以上で愛用されています。そして今年、新たな挑戦として新橋初の醸造所を開設いたしました。
i do not seek, i find.『 私は捜し求めない、見出すのだ。』−Pablo Picasso−私たちの考えるビール造りは、まさにこの言葉の中にあります。
PR TIMESより引用
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