ECサイトにおける市場の伸び
まず初めに、経済産業省の「令和3年度電子商取引に関する市場調査」からも分かるようにBtoB、BtoCともに増加傾向です。
国内電子商取引市場規模(BtoC及びBtoB)
令和3年の日本国内のBtoC-EC(消費者向け電子商取引)市場規模は、20.7兆円(前年19.3兆円、前々年19.4兆円、前年比7.35%増)に拡大しています。また、令和2年の日本国内のBtoB-EC(企業間電子商取引)市場規模は372.7兆円(前年334.9兆年、前々年353.0兆円、前年比11.3%増)に増加しました。
なお、令和元年における日本国内BtoC-EC市場規模は19.4兆円、日本国内BtoB-EC市場規模は350.0兆円であったところ、令和3年における日本国内のBtoC-EC及びBtoB-EC市場規模は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が強まる前の令和元年における市場規模を超したと評価できます。
また、EC化率※1は、BtoC-ECで8.78%(前年比0.7ポイント増)、BtoB-ECで35.6%(前年比2.1ポイント増)と増加傾向にあり、商取引の電子化が引き続き進展しています。
経済産業省「令和3年度電子商取引に関する市場調査」
BtoC-EC市場規模を分野別にみると、下表のとおりとなります。
経済産業省 BtoC-ECの市場規模及び各分野の伸長率
しかし、戦略なしに安易にECサイトを立ち上げてしまうとコスト(立ち上げ費用/管理費など)と工数だけが掛かってしまい、収益向上を目指した施策が逆に足を引っ張る存在になってしまいます。
ECからの収益を初めから期待してはいけません。ECは顧客に対して「タッチポイント(接点)を増やす」という考え方をベースにすることを推奨いたします。
この考え方からいくと、既存顧客をベースにECサイトを育てることで、流入が安定し、サイトの認知度いわゆる指名検索を獲得。そしてSEO、SNSで認知拡大を継続して行っていくことで、新規顧客も自ずと獲得できる流れになります。
そこで、SEOコンサルタントとして13年の経験と施策から約半年のスピードでアパレル・美容系のECサイト600万PV、月間30万UU。検索VOL74000の主要キーワードで1位、SEOで自然検索流入約4倍にしてきた実績から具体的な施策と成功事例、失敗事例をご紹介し、SEOに強いECサイトの具体的な作り方をご紹介いたします。
結論を先にお伝えすると、ECサイトのSEO対策は設計が全てを決めると言っても過言ではありません。
では、その設計は具体的にどういった手順を踏んで進めていけばいいのかを1つ1つ丁寧に解説いたします。
それでは、始めます!
SEOに強いECサイト作り方
設計手順を大まかに記載すると、
- キーワードの「As is」「To be」を可視化
- 対策キーワードにおける「To be」が実現可能であり、施策インパクトがあるかを社内、またはSEOコンサルタントと共に決定する。
- EC/データベース型サイトにおけるSEOキーワードの選定
- クエリから考える対応ページとカテゴリの整理方法
- EC/データベース型サイトサイトに最適なディレクトリ構造を決めていく
- 内部リンクを整備していく
- サイトマップ最適化
- クローラビリティ(クロールバジェット)
- ECサイトで類似商品が複数ある時のcanonical設定について
- PLP(優先的なランディングページ)について
- 各階層ごとのページ構成を作る(コンテンツ要素)
- EC/データベース型サイト ドメイン配下のブログ(記事)作成
- EC/データベース型サイトのmeta要素作成。(流し込み易いようにテンプレ作成)
- モバイルフレンドリー
- Altタグ(画像検索対策)
- Core Web Vitals(コアウェブバイタル)
- 被リンク獲得
- Instagram、PinterestなどのSNSマーケティング
- 指名検索
- EC/データベース型サイトの効果検証
- ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)について
多くの手順がある中でも、SEOに強いECサイトで抑えておきたい工程を中心に解説していきます。
ECサイト SEOにおけるGoogleの評価基準
下記の6つの要素がECの評価基準となりますので、施策の見直しをする際の指標として抑えておいてください。
- 商品数
- 口コミ数
- FAQ
- コンテンツ量
- 返品、返金に関して
- Core Web Vitals(コアウェブバイタル)
Webサイトの管理者向けにGoogleが提唱する指針、Web Vitalsの中でも中心的なものが「Core Web Vitals」として設定されています。これは主に「速度(LCP)」「応答性(FID)」「視覚的安定性(CLS)」の3つで構成されています。
引用:https://www.cloudec.jp/ecnews/seo_01/
【キーワード戦略】クエリから考える対応ページとカテゴリの整理方法
タップすると拡大できます▼
まず、はじめに狙いたいキーワードの「As is」「To be」を整理し可視化することが重要です。
本章では、クエリの特性を知り、キーワード毎にサイト内のどのページで対応するかを仕分け(整理)していく方法をお伝えいたします。
ちなみに、クエリとキーワードの違いは、クエリは、ユーザーがGoogleなどの検索エンジンを使うときに、検索窓に入力した語句。キーワードは、検索エンジン上のSEO、リスティング広告などのマーケティングにおいてユーザーをターゲティング(対策)する際に用いられる語句です。
本章ではクエリの特性を理解し、抽出、選定したキーワードをカテゴリ毎に整理する方法をお伝え致します。それでは、まずクエリの種類について理解しましょう。
クエリには4つの種類があります。
Goクエリ:「指定のサイトやページを検索したい」検索意図
- ThirdPlace(本サイト名)
- Amazon
- 楽天
DOクエリ:「何かをしたい」というユーザーの検索意図
- 振袖 着付け
- 成人式 着付け
- 振袖 クリーニング
Knowクエリ:「何かを知りたい」というユーザーの検索意図
- ロングに似合う振袖 色
- 振袖 ロング ヘアアレンジ方法
- ボブに似合う振袖 色
Buyクエリ:「Doクエリの商品購入」というユーザーの検索意図
- 振袖 レンタル
- 振袖 相場(おすすめ)
- 振袖 選び方
クエリを洗い出し、選定まで行ったあとはカテゴリ毎に整理し、対応ページとコンテンツ戦略を上記資料のように可視化させていきます。
整理後、新たに必要な制作項目をエンジニアと一緒に進めていきます。
例▼
- 成人式系キーワードは成人式開催情報(日程情報)ページを新たに作成。 振袖、きもの、留袖、等のカテゴリを作成。
- 振袖クリーニング、振袖 髪型系キーワードは前章で記載したように記事で対策するためにワードプレスを導入。
※キーワードの洗い出し(抽出から選定まで)については下記の記事をご参考いただければ幸いです。
ざっくり、記載すると、
- キーワードから検索結果を実際に叩き確認。
- ユーザーの検索意図とGoogleの評価ロジックに乖離がないか確認
- 乖離がない場合は競合サイトとの差別化を図るため、サイトの強みを表現したコンテンツを作成。
- 乖離がある場合はGoogleが現時点で評価している内容に合わせるか、ユーザーの検索意図を取るか迷うとこですが、アフィリサイトでない限り検索意図を取るべきです。
■キーワード調査のSTEP
STEP1:ユーザーの行動や心理を考え検索キーワードの種を出す
STEP2:キーワードの種を縦横に広げて洗い出す
STEP3:ツールを使って、抜け漏れや新たな切り口を探す
STEP4:洗い出したキーワードの取捨選択と優先度を設定する
■キーワードの優先度付
- サイトのマネタイズポイントに近いか。
- CVに対しての遠近と検索需要の大小
- キーワードに対してページが存在しているか。無い場合は、新規作成可能か。
【ECサイト成功事例❶】振袖サイト(店舗予約の集客/販売・レンタル)
対象サイト:振袖A
下記の表はキーワード毎の各サイトの順位状況を可視化したものです。 色が明るくなるにつれて上位表示できている状態です。(1位は黄色)
キーワードの整理を行ったあとは、自社および競合他社が運営するECサイトの各キーワードでの順位を可視化いたします。
この手順を丁寧に行うことで、どのキーワード領域で狙い易いのか、何が要因でGoogleから評価されているのか、または順位が芳しくないのかを調査する指標となります。人間で言うと、「健康診断票」のようなものです。
なかなか、ここまで初期で調査するのは工数が掛かりますが、自社で難しい場合はSEO会社またはECサイトをグロースした経験のあるSEOコンサルタンなどのプロに依頼することを推奨いたします。
SEOにおけるKPI
「振袖 レンタル」「振袖 エリア名」「振袖 色」「振袖 スタイル/柄」で上位表示させたい。
順位の可視化で分かったこと
明らかに振袖Eだけ各キーワードでの1位を獲得している。
振袖Eに関してはポータルサイトになり、 色、スタイル、柄の掛け合わせで条件検索した際、URLパラメータが固有に吐き出され、meta(title / description)情報も固有の文言を設定、コンテンツもリッチ。
また「振袖×大阪」などエリア掛け合わせキーワードにおいても各店舗情報をまとめた一覧ページを受け皿とし、各エリアの成人式開催情報をコンテンツとして保有していることで、エリア掛け合わせキーワードにおいても強い。
調査分析
サイト設計(ディレクトリ構造、パンくずなどの内部リンク構造、一覧、詳細のコンテンツ量、商品数、インデックス状況など)
調査分析結果~仮説からのヒアリング
対象サイト振袖Aにおいては、商品ページが全て画像または紙のカタログをPDF化したものを一覧として掲載しており、条件検索ができない。よって、色、スタイル、柄での掛け合わせで検索された際、検索に引っかからない。(受け皿となるページがない状態)
唯一、1ページ目にランキングしているのは「振袖 エリア」のキーワードのみであり、TOPページにランディング。「振袖 エリア」のSERPsをみても、競合が弱い(対策できていない)または記事がランクインしている場合もあるので、経験上、成熟していないSERPsと判断。
【リアル】事業の強みをヒアリング。
- 品揃えは他社と比較していかがでしょうか?
- レンタル料金は他社と比較していかがでしょうか?
- 購入も可能でしょうか?
- 着付けやお直しのサービスは?
- 小物(櫛、髪飾り、バッグ。帯、草履など)のセット料金は?
- 成約特典(キャンペーン)は?
- 展示会は年に何回開催しますか?
- 今まではどういった流れで来店することが多かったでしょうか?
- 「ママ振袖」というキーワードがWeb上で需要が高いが、貴社はおこなっていますか?
- Webだけで「振袖 レンタル」したユーザーがCV(来店予約)することはありますか?
施策内容
リニューアルをご提案。リニューアル時に色、スタイル/柄掛け合わせのキーワードでもインデックスされるように、PDFでカタログを纏めた形ではなく、条件検索機能を用い、※最適なカテゴリ作成からの各種ページを作成。その際、metaはユニークに。詳細ページはコンテンツリッチに。 ※最適なカテゴリ作成においては検索需要(VOL)を前提に検討。
例えば、赤とピンクの検索VOLは下記の状態だが、別々にカテゴリを設けた方が良いか? 掲載できる商品数はそれぞれ多いか?少なければ1つに統合することを検討。
(例)振袖 赤 1400 振袖 ピンク 1900
スタイル/柄に関しては下記のVOLになっているが、貴社内で商品をそれぞれのカテゴリ毎に選定すること可能か? シンプルと無地は一緒のカテゴリでもよいか?色の並び順は検索VOL順にしても良いか?
(例)振袖モード 6600 振袖レトロ 2900 振袖シンプル 2400 無地 1600
- どこまでの粒度で商品を掲載していくか。できる限り「数」が欲しい。
- 商品説明はメーカー、ブランドからの提供はあるか。
- 可能であればオリジナルの商品説明を記載することは可能か。
(例) ・似合う肌色タイプの解説(イエベ、ブルべ) ・似合う髪型
振袖と一緒に櫛やバッグ、草履などの小物をレコメンド(おすすめ)したいので、併せて整理しておきたい。
カスタマージャーニー
カスタマージャーから想定すると、 「振袖レンタル」のキーワードにおいて、Z世代は検索エンジンよりも、SNSからの情報収集が初めの導線になると仮説をとり、Instagramでハッシュタグ検索、最近ではPinterestなどを利用しているユーザーも増えてきていることから、検索需要の調査と分析。
SNS > 検索 > SNS > 検索の流れを構築し、CVRの高いキーワードで上位表示させておく。
また、Web上だけで「振袖 レンタル」の検索意図を持ったユーザーが直ぐにCV(レンタル予約)することは少ない。と顧客ヒアリングの際に教えていただいたので、「振袖 エリア」「振袖レンタル エリア」「成人式 エリア」などのエリア掛け合わせキーワードを優先的に対策し、(来店予約)をCVにすることをご提案。そのために、MEOも同時に施策。
その他の施策は、人気の振袖は早くに無くなってしまうことから1年以上前に(早い人で2年前から)予約開始をすることがヒアリングで分かったので、Doクエリ、Buyクエリ(例:振袖 レンタル / 振袖レンタル エリアKW / 着付け予約 エリアKW)の前にKnowクエリである「ロングに似合う振袖 色」「振袖 ロング ヘアアレンジ方法」等、似合う色、髪型系の掛け合わせクエリを記事で対応。
※上記のクエリはホットペッパーや美容室系のサイトが上位表示されているが、振袖の掛け合わせであれば勝てないことはないと判断。 ※クエリについては次の章で詳細をご説明いたします。
着付け系のクエリにおいては専門性を担保するために着付けの先生に監修を依頼。 ※ヒアリング時に着付け教室も運営されていることが強みと教えて頂いたので、着付け系のクエリは網羅して対策。
EC用のディレクトリ構造
ECサイトは下層ページのコンテンツがまんべんなく評価を得て、階層同士を内部リンクで繋ぎ合うことで、その上の階層ページが評価されやすくなります。
ビッグキーワードで上位表示させるには、サイト全体での設計を考慮した上で昨今のSEOで重要視されているトピッククラスターを意識することです。
カテゴリを決めていくには前述のキーワードにおける「To be」から設計していきますが、ECサイトの評価基準である下記要素(主にコンテンツ面)も大まかに想定した上で、作っていくことがベストです。
※キーワードのTo beを出せても、コンテンツが薄く(商品の種類や数が少ない等)、将来的にも増える見込みがないカテゴリであれば、独立させることで逆に評価が分散してしまうこともありますので、統合することがベストプラクティスです。
こういった点を、カテゴリを決める前に顧客、自社内でよく話し合うことです。
内部リンクを整備していく
パンくず
パンくずリストを設置することによって、クローラーが効率的に該当のカテゴリを辿り、サイト全体の構造を伝えることが出来るため、効率的なクローリングが可能となります。
また、ユーザーに対しても現在、サイトのどの位置(ページ)にいるかを可視化して伝えることが出来ます。特にECサイト/データベース型サイトにおいてはページ数が多く、サイト内で迷子になり易いことから、クローラーにもユーザーにもパンくずリストを設置することによって、現在位置を伝えてください。
応用編(ECサイトでよくある事例)
ECサイトでは1つのアイテムが複数のカテゴリに所属しているため、パンくずリストの経路を複数設置した方がユーザービリティの観点からも有効な場合があります。
Googleの公式では、複数のパンくずリストを発見した場合、現状、Googleは最初の1つを取得するとのことですので、SEO観点で優位というよりもUI/UX観点で考えると良いと思います。
ECサイトの複数のカテゴリに所属している商品があるときのパンくず例▼
長財布 > GUCCI > キングスネーク プリント ウォレット
GUCCI > 長財布 > キングスネーク プリント ウォレット
メンズ > おすすめ > キングスネーク プリント ウォレット
サイトマップ最適化
クローラビリティとインデックスを考える上でも指標となるのがサイトマップです。
どのページを評価させたいか?そのためには、どういった設計で内部リンクをどこに集約させたいかを考えていきます。
サイトマップ作成と同時にワイヤーフレームも同時進行で作成することをお勧めします。SEOに最適な設計、UI/UX観点、デザイナーやエンジニアとベストプラクティスを考えているうちに変更点が多くでてきますので、サイトマップ、ワイヤーフレームと整合性のあうように整えてください。
※SEOとUI/UXのデザイン周りは相関性がありますが、Googleはまだまだコンテンツ(特にテキスト)をアルゴリズムの優先順位としている傾向がありますので、デザイナーと一緒に進めていくことをお勧め致します。
インデックスとクローラビリティ(クロールバジェット)
インデックス
インデックスとはGoogle(検索エンジン)のデータベースに登録されることです。
例えると、本屋の本棚に自身の書籍が並ぶことだとイメージしています。
ページ数が多い本を読むのに時間が掛かるように、ECサイトでは末端のページがインデックスされていない状況がよく起こります。サーチコンソールでは除外にあたり価値が薄い状態です。
改善策の例としては、
- 独自コンテンツの追加
- 内部リンクを流さない、制御する。
- URL送信対象から除外し、クロールバジェットをコントロールすることが大事です。
商品の販売終了ページの対応
基本はページを削除した場合は、404 (not found) の HTTP ステータスコードを返し、ブラウザではエラーページを表示します。
404エラーページがサイトの残りのページのクロールやインデックス、ランキングに悪影響を及ぼすことはありません。
ユーザーが折角検索して訪れてくれたのに、404ページで素っ気ないページを表示させるのは忍びないという方は、カスタム404という形で、別の流入が多いページやTOPページに誘導させることも可能です。 ※サーバー環境によって可能ですので、ご利用のサーバーで実現可能かご確認をおねがい致します。
Googleの公式もご参考くださいませ▼
ユーザーに対して、探しているページが見つからないことを明確に伝えます。親しみやすく平易な言葉を使用します。
404 ページを、サイトのその他の部分と同じデザイン(ナビゲーションを含む)にします
最も人気のある記事や投稿へのリンクのほか、ホームページへのリンクを追加します。
無効なリンクを報告する方法をユーザーに提供することを検討します。
引用:soft 404 エラー
インデックス失敗例(XMLサイトマップの記述ミス)
XMLサイトマップはクローラー向けのサイトマップで、XMLサイトマップのデータを参考にECサイト/データベース型サイト内をクロールします。XMLサイトマップにはURLだけでなく、更新日時や更新頻度、優先度を補足情報として付け加えることが可能です。
本事例は次の章で詳しくお伝えするcanonical設置のミスと併せた問題で、2語以上の掛け合わせキーワードがインデックスされていなかった事例です。
条件検索機能で絞り込み後、吐き出されたパラメータURL(動的)がパラメータのないURL(静的)でsitemap.xml上に記述ミスされていました。
改善点としては、絞り込み条件後のURLを全てsitemap.xmlに記述するようエンジニアと一緒に進めてください。
<url>
<loc>絞り込んだあと吐き出されたURL</loc>
<lastmod>最終更新日</lastmod>
<changefreq>weekly</changefreq>
<priority>0.5</priority>
</url>
GoogleはXMLサイトマップのURLと最終更新日(lastmod)を気にするとのことです▼
ECサイトSEO初心者の方にはやや複雑で難易度が高いと思いますが、例えば「GUCCI 長財布 黒」などの2語以上の掛け合わせキーワード群が、それぞれ個別のページを作成しているにも関わらず、全くインデックスされない(順位が付かない)もしくは、PLP(優先的なランディングページ)とズレたページがランクインしている場合に疑ってみてください。
クローラビリティ(クロールバジェット)
本章ではクローラビリティとクロールバジェットについて解説いたします。
- クローラビリティ=クローラーにサイト構造を理解させる為に(満遍なく評価して貰うために)巡回し易い設計にすること。
- クロールバジェット=1つのサイトに対してクロールできる上限数(割り当て枠)のこと。 大型サイトでない限り、殆どのサイトは考える必要はないが、Googleのサーチコンソール上でのカバレッジエラーが増えてきたときは要注意です。
例えば、SUZURIなどクリエイター(ユーザー)がオリジナル作品をサイト内で販売できる参加型ECサイトやCGM型、利用者掲載型の求人サイトである例としては末端のページが低品質と認識されることがあり、クロールバジェットの重みが出易く、運営側で制御&コントロールする必要があります。
自動生成されるコンテンツの改善例としては、
- ユーザーに対して投稿フォーマットを作成(文字数など)
- noindex(SERPsには表示させずサイト内回遊のユーザーには表示)
低品質ページが大量に発生、クローラビリティの負荷が掛かり順位下落した失敗事例
前述したクリエイター(ユーザー)がオリジナル作品をサイト内で販売できる参加型ECサイトと類似の事例ですが、低品質ページが気付かないうちに大量に自動生成されていたこと、コアアルゴリズムアップデートのタイミングが重なったことで大幅に順位下落した事例です。
サーチコンソール内で調査しクローラーが異常に回っていたタイミングがあったので、該当ページ群をすべてnoindex処理をして、徐々に回復できました。
ECサイトで類似商品が複数ある時のcanonical設定について
アパレルECサイトの場合、色違い、サイズ違いの商品が存在することが多くあります。
URLパラメータなどで個別に吐き出している際、商品説明も色、サイズ以外同じになる場合が多いので、重複ページとして認識される可能性があります。
その場合は、正規化したいURL(評価させたいURL)に対して、canonicalを設置してください。
商品AのTシャツをGoogleに評価させたい(優先させたい)場合は商品BとCのhead内に下記の記述をしてください。
<link rel=”canonical” href=”tshirt/white”>
Googlek公式サイトの検索セントラルの内容も併せてご確認ください。
重複しているページの適切な正規 URL を Google が選択できるようにする処理がcanonicalです
重複しているページの適切な正規 URL を Google が選択できるようにする
canonical記述の失敗例
(現状)
絞り込み条件で検索した際、どの掛け合わせ条件で絞りこんでも、canonicalでカテゴリTOPが指定されていることで、カテゴリTOPが現状インデックスされている。
また、meta情報も同じ文言が設定され、重複している。加えて静的URLと動的URLでループがかかっている状況。
結果、2語以上の掛け合わせキーワードで上位表示されず、PLP(Preferred Landing Page)=優先してインデックスさせたい(表示させたい)ページで評価されていない状態。 ※PLPについては、次の章で詳しく解説しています。
キーワード例:Tシャツ×白、Tシャツ×無地、Tシャツ×ナイキ
(改善後)
絞り込み条件で1つまたは複数の条件で選択した際、吐き出されたURLをインデックスさせることで、掛け合わせのキーワードでの評価(順位)を上げたいので、以下2パターンのいずれかで対応。
※静的URLの方が管理し易いので「パターン1」を推奨するが、改修スピード、コストを含めてエンジニアと応相談。
データベースサイトSEOの完全ロードマップをこちらの記事でご紹介しています。
PLPについて
PLPとはPreferred Landing Page(優先的なランディングページ)の頭文字をとった略語で、対象の検索キーワードのSERPsに優先的に表示させたい、または、表示させるべき自サイトのページを指します。
ECサイトではPLPがランキングしているLP(ランディングページ)と一致しないことが往々にしてあります。要因としては、クエリとのコンテンツマッチ度がPLPよりもランディングしているページの方が高いことが想定されます。
改善方法としては、
- PLPのコンテンツを厚くする。
- 内部リンク(パンくずなど)の設計を見直し、PLPに重みづけしてあげる。(評価を寄せる)
- 現在、評価されているページのコンテンツを調整する。(関連のキーワードをランディングさせることを検討する等)
【PLP不一致の例1】検索絞り込み機能の失敗例
どの掛け合わせ条件で絞りこんでもcanonicalで特定のURLが指定されている。(掛け合わせページがindexされていない)またmeta情報も同じ文言が設定され重複している。結果PLPにズレが起こりCVRが低い(よくあるのは記事がランディングページになる)
※前章で解説した事例のように、パラメータ URLで吐き出しているパターンでcanonical設置の失敗をしていることが多いです。
改善例▼
- 絞り込み条件で吐き出されたURLをcanonicalで特定のURLを指定せず、1つ1つ固有のURLをindexさせる。
- titleをユニークに設定する。例:Tシャツ 赤 | サイト名 Tシャツ 赤 ビッグシルエット
- コンテンツをリッチにし、掛け合わせのキーワードでの評価(順位)を上げつつ、総体的にindexをさせる。
- その際、静的でも動的URLでもSEO的には問題ないが管理上、理想は静的URLが望ましいが改修コスト、スピード感を考慮した上で判断。
- 記事からは内部リンクを該当の掛け合わせページに這わせる。
- 同時にパンくず設計の見直しとアンカーテキストに対策キーワードを含める。
【PLP不一致の例2】実店舗を複数展開する企業のECサイト
エリア掛け合わせキーワードのPLPは店舗ページにしたいがTOPページになっており、順位も取れていないパターンが結構ある。特に地方企業のECサイト。
何故、地方企業のECサイトかというと、エリア掛け合わせでのSERPsが成熟していない場合が往々にしてあるからです。
大抵、ポータルサイトが1位になり、2位以下がSEOに力は入れていないが、複数店舗を持たず1つのエリアだけしか店舗展開していないことで、特化しているとGoogleが認識し、上位にきているパターンがあります。
※ローカライズされているクエリでのSERPsが多い所感です。
これは幾つか要因と対策があり、調整できるので、ご参考までに。
- Serpsを掛け合わせ有無で見て「違い」を把握する
- 実店舗が存在するエリアの競合性を調査(Web/リアル両方) ※リアルは顧客に聞く、足を使ってアナログに。時には帝国データバンクで調査。事業の優位性、資本力を知る。
- SERPsでポータルが1位、2位以降が1店舗展開の企業が大半であれば1つのエリア掛け合わせキーワードだけ(本店/本社)をTOPページのtitleに入れる。
(例)
(As is)バッグ買取 | 熊本 大分の買取専門店 〇〇屋
(To be)バッグ買取 |熊本の買取専門店 〇〇屋
※熊本が本社
❹店舗ページをエリア情報、企業情報、社員の声、お客様の声/口コミなどでコンテンツ拡充する
※TOPページに流入した掛け合わせキーワード以外の店舗情報を厚めにして検証する。
※2週間程度検証して見極めることを推奨いたします。評価を優先して上げたい、もしくは売上規模が大きいエリア(店舗)に対して❸のTOPページtitle調整をし、その他のエリア(店舗)に関しては店舗ページのコンテンツを拡充するイメージです。
【ECサイト成功事例❷】アパレル・ファッション系サイト
オリジナルブランドを展開するD2CモデルのECサイトでないかぎり、商品の説明分は他ECサイトと重複することが多いので、何でプラスオンできるコンテンツを作れるかがポイントです。
※D2Cとは小売店や代理店を介さず、メーカーが直接商品を顧客販売できるビジネスモデルです。
サイト内にキーワードに関するページがどのくらいあるかを検索コマンドを用い、調査します。
allintitle:キーワード site:調査したいURL
※SEOの調査分析をする際、私はahrefsやsem rushなどのサードパーティツールを多用していますが、解説すると長くなりますので、ここでは説明を省きます。
基本的にはアパレルECサイトのコンテンツ要素だけに焦点をあてると、商品詳細、一覧ページのコンテンツが重要となります。 ※ページ単位、カテゴリ単位での被リンク要素、商品数などはここでは省きます。
【商品詳細ページ】
商品説明、事例、スタッフのコメント、口コミ、Q&Aなどのリッチコンテンツを保有する。
口コミ数に関しては、商品到着後にレビューをして頂いた方に特典や割引を付与するなどの対策をして愚直に増やす。 Amazonや楽天などで投稿できるCGM的な口コミは制御不能ですが、自社ECサイトであれば、ある程度コントロールできる状態で管理してください。
私が実際に関わったアパレルECサイトの成功事例としては、工場ライン、営業メンバー、ライターと連携して競合サイトよりも下記の内容を充実させ、下層の商品詳細ページの価値を上げ、全体の評価を上げる施策を実装しました。
- サイズの測り方
- 素材と生地質
- プリントの色味について
- こだわりポイント
- 使用シーン
【一覧ページ】
商品詳細ページなどの下層ページからの内部リンク設計でリンクジュースを流して集約する。 また、スマホ表示の場合はアコーディオンブロックでテキストを折りたたむ。
ECサイトのタイプによっては、一覧ページに商品詳細説明(テキストコンテンツ)をマウスオーバーした際に表示させるECサイトもあり、上位サイトが同じ形で対策し、一覧ページの評価が一定数高い場合は、デザイナー、エンジニアと相談しながらUI/UX観点も踏まえて検討してください。
返品、返金に関して
返品、返金に関しては各商品詳細ページにマストで記載するのと同時に、別ページで詳しく記載することを推奨いたします。
商品詳細ページは簡易的に。詳しい内容は別ページに遷移させることを推奨いたします。
ECサイトでは上記事項をしっかり記載しておかないと、運営側の負担が大きくなることが往往にしてありますので、運営側の守りの部分でも重要事項ですし、ユーザーにとっても信頼感のあるサイトになりますので、必須で設けてください。
結果
「アパレルのECサイト」平均700万PV/月、検索VOL41000のキーワードで1位。(2022年10月継続中)
施策から4ヵ月のスピードで自然検索流入 約5倍の伸び。ECでの数十億円達成。
ECサイト ドメイン配下のブログ(記事)作成
データベース型サイトでドメイン配下にブログ(記事)を書くことは非常に有効です。
何故なら、大きく2つの理由があります。
- TOP、一覧、詳細ページで拾いきれなかった検索需要にアプローチすることができるからです。特に顕在層の前の潜在層に対してアプローチすることが有効的です。
- アパレルファッション系のECサイトで言うと商品ページは比較的オリジナルブランド(D2C)以外であれば、メーカーの商品説明を記載することになり、競合サイトと差別化することが難しく、また、ZOZOTOWN、楽天、Amazonなどのモール型サイトにはドメインの強さ、商品数の多さの観点からもSEOで真っ向勝負をすることは難しいからです。それであれば、ZOZOTOWN、楽天、Amazonなどが出来ないことは何か?という事を考えると、ブログ(記事)作成をすることによって潜在層にリーチするようなキーワードと記事内容でクエリの受け皿を作成し、そこから商品ページに誘導させるように設計していくことを推奨いたします。
例えば、アパレル系のECサイトであればファッションコーディネートの記事などを書いていくと良いでしょう。
キーワード例▼
デニム コーディネート 170
デニム シャツ コーディネート 110
デニム スカート コーディネート 90
秋コーディネート 390
秋コーディネート メンズ 70
秋コーディネートレディース 170
また、ECサイトに商品ページ以外に関連性のあるコンテンツを記事作成でディレクトリ配下に保有することが出来ることで、サイト全体の専門性が高められE-A-Tの観点からも高評価を得ることができました。
【成功事例❸ 】美容系ECサイト
実際、私がご支援させていただいた事例でお伝えすると、
①「アパレルのECサイト」平均700万PV/月、検索VOL41000のキーワードで1位。
施策から4ヵ月のスピードで自然検索流入 約5倍。
②「ネイル販売のECサイト」平均600万PV/月、月間30万UU、検索VOL74000のキーワードで1位。施策から約半年で自然検索流入 約3倍 ※競合の楽天やAmazonよりもサイトの専門性を高めたことで上位表示させることに成功。
特にネイルに関しては流行の流れが速いことから、トレンドキーワードを先行して記事作成を行っていきました。
キーワード例で言うと、「韓国 ネイル」「BTSのButterネイル」など。
このあたりのトレンドキーワードは検索回数(VOL)がほぼない状態であってもSNSなどでリサーチして、先行して作成できるところが楽天、Amazonなどのモール型サイトには出来ないことなので、真っ向勝負せずにECサイトの独自性を高めていくと良いでしょう。
また、爪のケア方法などのキーワードでも記事作成し上位表示させたことで潜在層を多く獲得できました。
このような戦略の打ち手を考察するときは、下記のような例えで熟考していくと良いアイディアが生まれると思います。
- 百貨店と専門店の違い(ポータルサイトと自社サイトの違い)
- マンションと注文住宅の違い
本章をまとめますと、メリデメ、ユーザー層を見極めれば巨大ポータルサイトにもSEOでも勝てる余地はあると認識しています。
クラウドサービスで良いライターを採用する際、必ず行う質問
記事制作をする際は、外部ライターに委託することもあると思いますが、クラウドサービスを利用してライターを採用する際は、以下の質問を必ずしています。
❶キーワード調査、記事作成する際の普段使用しているツールはありますか?
❷指定したキーワードに対して上位表示するための構成を作成することは可能でしょうか?(見出し文作成含む)
その際の調査から作成までの手順を教えて頂ければ幸いです。
(例)ラッコ見出しを用い上位10記事の構成を確認 > 上位ドメインが記事かそれ以外かを判断。ahrefsで流入キーワードを確認 > ruri-coでキーワードの保有率と類似率を分析
❸(アパレルECサイトであった場合)洋服は好きですか?好きなブランドは?月にどのくらいの費用をかけていますか?
上記3つの質問をすることで、SEOの知見とスキル、文章能力が返信文から凡そ想定できます。
また、最後の3つ目の質問をライター採用の際に、重要視していますが、専門性のある方にお願いするようにしています。
例えば、
- アパレルECサイトであれば現役の販売員(副業でライター)
- ネイルのECサイトであれば、現役ネイリスト(副業でライター)など。
記事制作のマニュアルはこちらで用意し、slack環境に招待、ライター同士で学び合う仕組みと私からSEOの知見を伝えて育成していくので、「興味があるか」「専門性があるか」をライター採用の際には重要視しています。
ECサイトのmeta要素作成(title / description)
サンプル1:(データベース型)ブランド買取サイト
アイテム、ブランド、ブランド種類、ブランド色違いなど、すべての条件検索で吐き出された掛け合わせページに対して固有のtitle、descriptionを検索VOLを考慮し、エンジニアが流し込み易いようにテンプレートを作成。
(例)
アイテム:バッグ、時計、洋服、宝石
ブランド:エルメス、ヴィトン、グッチ
ブランド種類:エルメスバーキン、ヴィトン エピ
ブランド色違い:エルメスバーキン 赤
titleの設定は今も昔も恐らくこれからも一番、費用対効果の高い施策だと実感しています。
ここをいかに面倒くさがらずに、SEOコンサルタント及びSEO担当者が丁寧に仕上げるかで効果も工数も大幅に変わってきますので、私は最も集中して作成しています。
サンプル2:(ECサイト)飲食ECサイト
●ECサイトのmeta(title / description)を作成する際の3つのポイント
初期で緻密なテンプレを用意しておかないと後で大変なので丁寧に設計する事が大事です。
- ECサイトの場合、商品番号、商品名、サイト名などをすべてtitleに含めると、検索結果に表示される文字数が超過してしまうので、SEO観点から主要キーワードを前頭に含め、管理上は商品番号、サイト名は後半に記述。
- サイト名や企業名に関してはTOPのtitleで表示させ、一覧、詳細においてはdescriptionの前頭でサイト名を表示させる。その際はdescriptionにも主要キーワードを含めつつ、titleで含めきれなかった関連キーワードを記載することがポイントです。各アイテムキーワードで網羅的に上位表示できた場合に【指名検索】を増やす伏線になります。
- 「一覧、詳細のtitleにもサイト名や企業名を表示させた方が良いのでは?」とご質問をよく受けますが、amazon、楽天などのモール型サイトで決済することによってポイントを獲得したいユーザーでない限り、一覧、詳細ページにサイト名を必ずしも含める、または表示させる必要はないと実感していますのでSEOを優先してください。
モバイルフレンドリー
ECサイトにおいては特にモバイルユーザーが多いことから、スマホで見たときの見易さや購入までの導線設計などのUI/UXの改善が大事です。そのため、デスクトップとスマホのコンテンツの見せ方も異なってきます。
例えば、メニューをハンバーガーにしたり、テキストコンテンツは折りたためるアコーディオンメニューにしたりなど。この辺りはGoogleが無料で提供するモバイルフレンドリーテストの実施をしながら、エンジニア・デザイナー含めて相談しながら進めてください。
ECサイトにおいて、商品ページの構造化データマークアップを行うことを必須としてください。 何故なら、構造化マークアップを行うことで、サイト内の価格や在庫状況、口コミなど詳細な商品情報を検索結果に表示させることが可能だからです。
構造化マークアップを実装することで、まだ明確に商品を決めていない潜在層へのリーチも可能となり、またユーザーに分かり易い形で検索結果上に視覚化させることで、CTRも向上するメリットがあります。
構造化マークアップはGoogle公式のガイドラインがありますので。確認し実装してください。
構造化マークアップの支援ツールも公式またはサードバーティツールとして公開しているものもありますので、活用すれば簡単に実装可能です。
最後に必ず、正しく実装できているかも確認してください。
Altタグ(画像検索対策)
Googleは画像認識の技術が昨今進んできているとはいえ、未だ完璧ではありません。そこで、alt属性(代替えテキスト)を設定することはECサイトにおいては必須です。
alt属性を設定することでクローラーに画像を認識させるだけでなく、画像検索された際にも表示され、ユーザーにとっても有益です。
※注意 ASPによっては、alt属性が設定できないものもあるようですので、ASPの選択には注意してください。カラーミーの商品登録画面にはaltの指定はないと認識しているので、ショップテーマによっては別の方法をとる必要があるようです。そのためソースコード上に設定を追加することが必要です。
商品数
Amazon、楽天などのモール型サイトと比較しても商品数においての勝ち目はないのであまり気にしなくても良いかと思います。
そもそも、ユーザー層も若干違ってきていて、 ポイント獲得を目的にしている場合もあるので、可能であれば自社ECサイトと並行してAmazon、楽天にも出店することがベストです。
しかし、モール型以外の競合サイトの商品数は考慮してください。この時のポイントは商品数が少ないカテゴリであれば、統合することを推奨いたします。
カテゴリを細分化することがSEOのセオリー的には理想ですが、商品数が少なく、将来的にも増える見込みがないものであれば、評価を寄せる意味合いでも統合することを経験上、お勧めいたします。
Core Web Vitals(コアウェブバイタル)
商品画像、記事画像の圧縮 Webサイトの管理者向けにGoogleが提唱する指針、Web Vitalsの中でも中心的なものが「Core Web Vitals」として設定されています。これは主に「速度(LCP)」「応答性(FID)」「視覚的安定性(CLS)」の3つで構成されています。
引用:[https://www.cloudec.jp/ecnews/seo_01/]
ECサイトの場合は非常に需要な項目ですので、エンジニアと連携して実装してください。
商品画像の圧縮はもちろんですが、特に注意して欲しいのは、ドメイン配下に記事を作成していく際は、記事の画像も圧縮して投稿するようにしてください。
ライターに投稿までを依頼する際は、はじめの段階で画像圧縮することを周知する事と、投稿後のディレクターチェックは必須で行うことを推奨いたします。
画像圧縮できるツールは無料で幾つかありますので、自社にあったものを使用してください。
私が使用していたのは、下記ツールです。
被リンク獲得
昨今のSEOは被リンク獲得が重要です。
被リンクはいわゆるサイトの「人気投票」で多くのリンクが貼られているサイトは「ユーザーにとって有益な情報を保有している」とGoogleは認識し、被リンクはSEOで最重要な順位決定要因と言われています。
被リンク獲得方法のトレンドとしてはahrefsなどのサードパーティツールを用い、競合サイトの被リンク獲得状況を調査分析を行い、サイト運営者にメリットを与えた形で愚直に問い合わせフォームなどから営業活動を行います。
この営業活動はサイト運営者(事業者側)が自社のみで対応することはリソース、専門性を考慮しても難しく、SEOコンサル会社、SEOコンサルタントが代行しておこなっているケースがあります。
下記のチャイ専門店 モクシャチャイの被リンク獲得成功事例は上記の手法とは異なり、オーナ―様の企業努力、リアル店舗での認知活動は勿論のこと、ブランディングを意識したキーワード設計で初期段階からキーワードフィルタリングを行った結果、被リンク獲得できた事例です。
初期設計段階で、「どんなユーザーにきてもらいたいか?」「どういったブランディングにするか?」を丁寧にオーナー様と話しあったことが良質な被リンクを獲得できたと感じています。
ドメインランク90 のサイトから多く被リンクを得ています。
Instagram、PinterestなどのSNSマーケティング
アパレル、美容系のECサイトであればInstagramと並行してPinterestをビジネスアカウントで運用することを推奨いたします。相性が抜群です。
Pinterestは曖昧な検索キーワード(かっこいいメンズファッション、かわいいネイル)などでサイトよりも上位にくることがあります。 詳しくはこちらの記事でご紹介。
Instagramのマーケティング運用に関しては多くの記事で共有されているかと思いますので、 本記事ではPinterestでのECサイト集客についてお伝えいたします。
Pinterestの市場
・月間アクティブユーザー4億人(世界/2020,7月)そのうち日本ユーザーは530万人
└日本のユーザーは2018年の400万人から大きく増えて530万人。
└Instagramの国内利用ユーザーは3300万人
・約半数のユーザーが35~54歳(現在ではZ世代が急増)そのうち女性ユーザーは80%を占める。Instagramは実に9割のユーザーが35歳以下 Instagram=68%
・ユーザーの90%が購入意思決定にPinterestを利用
出典:MarTechLab
Pinterestは2020年にSEOを最も伸ばしたドメインとして1位に。
【Pinterestと相性の良い商材例】
- LTVの長い商材 例:高単価のジュエリー、アクセサリー
- 定期購入が期待される商材 例:美容関連の商材、ファッション系の商材
Pinterestは2020年にSEOを最も伸ばしたドメインとして1位に。
引用・出典:デジタルの市場を調査している米国SISTRIXによる2020年にSEOを最も伸ばしたドメイン
SNS、Google、Pinterestとそれぞれの特性を活かして顧客となりえるユーザーをナーチャリングすることが大事です。具体的なステップは下記の3つです。
【ステップ1】イベント、季節から逆算して数ヶ月前からPinterest、SNS(Instagram、facebook、Twitter)、Youtubeで投稿や配信を行い、「訴求したい時期に向けて仕込みを丁寧に、且つ継続して行うこと」で潜在層をストック。
【ステップ2】需要が高い時期が近づくにつれて、各種広告も併用し予算を集中投下。
【ステップ3】いざ、囲い込みができた段階で顕在層が比較的多いGoolge検索で見つけられ易い位置(上位表示)にいることが重要。
その際にCVRを高めるポイントは、ランディングページとしてTOPまたはカテゴリページ(商品一覧)を上位表示させておくことが理想です。例えば、ランディングページがコラムページになっていても上位表示をさせておくという観点では問題ないですが、CVするためにページ遷移をしなくてはいけない構成(コンテンツ)になっている場合は、CVRが落ちる想定をしておくと良いと思います。
具体的事例でお伝えしますと、
❶ボーナスで自身のご褒美に何かアクセサリーを購入したいと考えている(探している)女性ユーザーがいるとします。InstagramやPinterestまたはリアル店舗でリング、ネックレス、ピアス、ブレスレットなど購入するにあたり何が良いか一定期間検討後、自身のご褒美にピンクゴールドのリングを購入する意思を固める。
❷検索エンジンを使用して「ピンクゴールド リング 」で調べる。
この時の検索意図としては、「ピンクゴールドリングの各種デザインや値段などを知りたい」ネットで購入するのか、それとも店舗があれば店舗に出向いて購入するのかを検討しているクエリと想定すると、ピンクゴールドリングのまとめ記事のようなコラムページを表示させるよりは、自社Webサイトのピンクゴールドリングの商品一覧ページにランディングさせるようにSEOを戦略的にサイト設計し準備して(仕込んで)おいた方が検索意図とマッチし、比較検討段階での有力候補として認識され、CVRも高くなると想定しています。
且つ上記のように様々なメディア、媒体でナーチャリングができたユーザーは角度が高い状態になっているので、購入または問い合わせまでのスピードも早いと想定されます。
PinterestとSEOの相性については下記記事をご参照ください。
指名検索
最後の施策として、指名検索を増やす方法をご紹介いたします。
結論、指名検索を圧倒的に増やす方法は「テレビCM」が最速だと感じています。
もちろん、それまでサイトの仕組みを整えておくことは必須ですが、指名検索流入がサーチコンソール上でも日に日に増加していく度に、ミドル、ロングテールキーワードも自然と上昇した事例があります。
仮説ではありますが、指名検索での流入が多くなったことにより、Googleから専門性、信頼性が認知され、ビッグ、ミドル、ロングテールキーワードが総体的に上がったのだと思います。
CMは予算との兼ね合いだと思いますが、ECサイトとは相性も良く、地方CMであればある程度単価も抑えられますので、ご検討してみてはいかがでしょうか。
今まで21個の施策をご紹介してきましたが、再度はじめに戻り、ワイヤーフレームとサイトマップを整えていきます。ワイヤーフレームは顧客(自社)、デザイナー、エンジニア、ライターなど各部署に全体感を伝えるための設計図となり、原点に戻れる指針図となるように施策実装中でも私の場合、都度修正しています。
正直、結構手間の掛かる作業となりますが、「As is」「To be」の可視化となり、どういった施策を過去実装し、何が成功の要因で何が改善点かを都度、メモしておくようにしています。
サンプル例
ASP(アプリケーションサービスプロバイダ)について
ASPとは『アプリケーションサービスプロバイダ』(Application Service Provider)の略で、インターネットを経由してソフトウェアやソフトウェア稼働環境を提供する事業者のことを指します。
早速、本題に入っていきますが、まずWP(ワードプレス)でのEC展開はお勧めできません。 理由はそもそもWP(ワードプレス)はEC向けのシステムでなく、プラグインでECサイト化できますが、やはり無理やりになるので失敗に終わります。また、決済回りもASPではないのでセキュリティも怖いところです。
購入があってからの決済処理もプラグインで対応していることから、やはりECに特化したASPを使うほうが最終的に費用対効果が高いと思われます。
今まで、WP(ワードプレス)でECサイトを運営されていた企業さまを知っていますが、どちらもASPに変更しています。
ではASPについてですが、 BASEはCMなどでやっておりますがSEOやバックヤードが壊滅的なのでこれは「無し」な感覚です。次の価格帯はShopify(ランニングコスト3~5千)になりますが海外元なので、システムの実装などは早いのですが、日本人操作の親和性が低いように思えます。
しかし、ランニングコストも考えてShopifyをお勧めされる業者が多いのも事実です 構築費はだいたい中小企業が構築したら30万ぐらいは取られるイメージです。
残りがASP3大のFuturshop、MAKESHOP、カラーミーです。
ランニングコストはFuturshop(2万3千)>MAKESHOP(1万超)>カラーミー(5千)ぐらいです。
機能は値段に応じFuturshop(2万3千)>MAKESHOP(1万超)>カラーミー(5千)ですが、
私の肌感のおすすめは、値段順と同じでFuturshop(2万3千)>MAKESHOP(1万超)>カラーミー(5千)
という感じです。
カラーミーまで出すならMAKESHOPにいきたいところです。 ※カラーミーはAltタグ(画像検索対策)の章で解説しましたが、ECサイトにとってポイントとなるAlt設定がデフォルトではできないことも問題です。
ランニングコストが一番高いFuturshopだとCMSオプションをいじると、ECサイト内にWP(ワードプレス)を作れるので同じドメイン内にブログ(記事)投稿することが出来ます。
安く構築したい。さらに機能はわりと欲しいのであれば個人的にはshopifyを選びます。 SEOはコンテンツ作り次第なので、月額一万以下のコストでやりたい場合、どのASP選びますかといわれたらshopifyだと思います。
このあたりは運営元次第ですので、事業形態に応じて対応すると良いでしょう。
ECサイトのマーケティング・SEO担当者の役割
ここまでECサイトのSEO成功手順を解説してきましたが、マーケティングを担うSEO担当者だけでは収益化できません。
各担当者と連携をした上で、最適解を出していく必要があります。
例えば、
- 商品計画や商品政策を練り、そして新規商品の開発、仕入れを行うMD(マーチャンダイジング)
- 商品を撮影、採寸、原稿作成まで行うEC業務独自の表現である「ささげ」
- 梱包から発送まで行う物流担当
- 受注、問い合わせ、返品、交換対応を行うCS担当 など。
全体が同じベクトルで進むことによって顧客満足度が高くなります。
まとめ
ECサイトのSEOは非常に難易度が高い施策とはなりますが、1つ1つ丁寧に進めていけば必ず成功できると考えています。
そのためには初速のスピードをつけるために、まずは経験値が高いプロに依頼し、最終的には内製化する形で進めていくことを推奨いたします。
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